こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、大型開発でも手付かずに残るパワースポット「平将門の首塚」です。
■教科書には書かれなかった裏歴史
週刊ポスト2017年9月15号に、平将門の記事がありました。
「教科書には書かれなかった裏歴史」と題されたその記事には、平安時代最大の戦乱とされる「平将門の乱(承平・天慶の乱)」は、相続争いが原因だったと記されています。
歴史作家の井手窪剛氏が解説しています。
「父・平良将の死後、勝手に土地を分割相続した叔父らに将門が激怒し、“遺産相続戦争”を仕掛けた。
最初は弱小勢力と思われた将門だが、骨肉の争いに勝利すると勢いに乗って各地の豪族とともに勢力を拡大。
自らを『新皇』と称し、関東を支配して朝廷と対立するまでになりました」
なんと親族の相続争いが、朝廷を巻き込む大戦乱となったのですね…。
■平将門の乱
平将門は関東を制圧して新皇を宣言。
朝廷を震撼させますが、その後、藤原秀郷ら追討軍の攻撃を受けて滅ぼされました。
将門の首は平安京に送られ、都大路にさらされました。
これにより平将門の乱は終結となりましたが、その後に、もう一つの裏歴史があります。というよりも伝奇とも言うべきエピソードです。
先述の通り、将門の首は、京の都大路にさらされましたが、その3日目…。
なんと夜空に舞い上がり、故郷の東方に向かって飛んでいったというのです。
その伝承を裏付ける(?)かのように、東京の都心のど真ん中、東京駅のすぐ近く大手町に、平将門の首塚があります。
■将門伝説
平将門の伝承は今なお生きており、現在、首塚のある大手町のこのエリアは大型開発が進行中。
重機が搬入されて工事がさかんに行なわれていますが、この首塚だけが、なんとも不自然な感じに、手付かずに残されています。
何しろ、この平将門の首塚、近代にも数々の不可思議な出来事を引き起こしているのです。
関東大震災が起きた1923年。
瓦礫となった庁舎の再建のために、国はこの首塚を取り壊し、大蔵省の仮庁舎を建てました。
ところが、それ以来、工事関係者や省職員、さらには大蔵大臣までが不審死をとげ、将門の怨念説が省内で囁かれることとなりました。
さらに1940年。
再び大蔵省に祟り(?)が起きます。庁舎に雷が直撃して炎上しました。
この事態を受けて、将門の怒りを鎮めようと、1923年にも行なわれた鎮魂際が再び行なわれました。
そして、終戦後の1945年。
日本に進駐してきた米GHQが、首塚周辺を駐車場にしようと工事を開始しますが、作業中のブルドーザーが突然ひっくり返り、死人が出る騒ぎとなりました。
事情を知ったGHQ幹部は、駐車場の建設を取り止め、首塚一帯を残すことにしました。
■将門の首塚
このような、科学でも証明できない祟りの数々があって、大規模開発工事が進む一帯の中で、不自然なまでに手付かずのまま、首塚は残されています。
首塚一帯を白い壁が覆っています。首塚を傷つけてはいけないという配慮なのでしょうか。
その真ん中に鎮座するのが、平将門の首塚です。
首塚の脇には蛙の置物が奉納されています。これは、将門の首が京から飛んで帰ったことから、必ず「帰る(カエル)」にひっかけたもの。
オフィス街の大手町という土地柄、海外赴任になる人、左遷された人などが、お参りにくるのだとか。
■魔人・加藤
この将門の人知を超えたパワーを使って帝都を滅ぼそうとしたのが、魔人・加藤保憲。
荒俣宏さんの小説「帝都物語」に登場する架空の人物です。超人的な能力を持つ邪悪の化身ですね。
「帝都物語」は、平将門の怨霊により帝都破壊を目論む魔人加藤と、その野望を阻止すべく立ち向かう人々との攻防を描いた作品です。
壮大な架空ファンタジーと思ってましたが、実際にこの地を訪れると、結界を張られているかのような異空間に、加藤ならずとも、将門のはかり知れないパワーを感じざるを得ません。
都心最恐のスピリチュアルスポットと言われる由縁ですね。
微力ながら、将門の首塚を前に、魔人・加藤のような輩を生み出すことなく、帝都がこれからも平和であらんことをお祈りしてまいりました。
ありがとう、将門様。これからも帝都をお守りください。
■基本情報
名称:将門塚
所在地:東京都千代田区大手町1-2-1
アクセス:大手町駅C5出口すぐ