こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。
今日の夢中は、北条早雲ゆかりの城、韮山城です。
■城語り
まずは、物語りならぬ城語り(しろがたり)から。
伊豆にある韮山城(跡)は、戦国時代の北条氏の祖である、伊勢宗瑞(通称:北条早雲)が築いた城です。
明応2年(1493年)、駿河今川氏の客将であった早雲は、伊豆韮山の堀越公方・足利茶々丸を攻め滅ぼして、伊豆に進出。この事件は伊豆討ち入りと呼ばれ、東国戦国期の始まりとされています。
(伝堀越御所跡)
早雲は、戦国の風雲児として、ここ韮山城を拠点に伊豆の支配を進め、後に相模に領土を広げた後も小田原城に移ることなく、没するまでここを居城としました。
天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原攻めでは、4万4千人の軍勢に囲まれましたが、3か月にわたり持ちこたえましたが、北条方諸城の落城を受けて開城。
北条氏滅亡後は、徳川氏の城に変わりますが、関ヶ原の合戦後の慶長6年(1601年)に廃城となりました。
■城ぶらり
まさに、戦国時代のはじまりと終わりを告げる城、韮山城。
戦国の風雲児・北条早雲の夢の跡を、「城ぶら」します。
韮山城は廃城になっているので、城は存在しませんが、その名残は残っています。
その一つが城池。「城」の呼び名が今に残ってるんですね。近隣は城池親水公園として整備されています。
もう一つ、名前を残しているのが、龍城山。
韮山城は、別名・龍城と呼ばれていました。早雲は、堀越公方を攻め滅ぼすと、近くの丘陵・龍城山に城を築いたんですね。
龍城山は、南北が約400m、東西が約100mの細長い尾根。
城池を眺めながら、恒例の山歩きに入ります。
早雲が韮山城の守護神として建立したとされる熊野神社の近く権現曲輪。
さらに二の丸跡を過ぎると、本丸跡。
うーん、残念ながらなにもありません。廃城「あるある」です。この光景はだいぶ慣れてきたな…。
それでもここから、麓を見渡すと、周囲が一望できます。
秀吉軍4万4千が押し寄せてきたときも、約100日持ちこたえたのは、この地に城を築いたことが大きいかもしれません。
さすがは早雲。先見の明がありますね…。
本丸から、細い尾根が伸びていますが、これも有事の時の伝達路として使われていたのかしら。
ちなみに、韮山城跡の東側には、秀吉軍の付城跡もあります。こんな近くに城兵が詰めかけたら、相当な圧迫感があったろうな…。
韮山城が落ちたことで、北条氏は一気に滅亡に進みました…。そして、それは秀吉の天下統一の仕上げでもありました。
戦国時代のはじまりと終わりを告げる城、韮山城。100年の時の流れを、一気に「城ぶら」。これ、たまりませんね。
ありがとう、韮山城! ありがとう、北条早雲!
■基本情報
名称:韮山城跡
所在地:静岡県伊豆の国市韮山韮山
アクセス:韮山駅からバスで5分
料金:無料