こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、東京福めぐりの一社、築地にある「波除神社」(なみよけじんじゃ)です。
■東京福めぐり
「東京福めぐり」とは、都営浅草線の沿線にある8つの神社をめぐり、各神社の特別印を集める開運散歩です。
ホームページでは「八社開運さんぽ」とも書かれています。
今回は、築地にある「波除神社」をぶら歩きです。
■由緒
築地・波除神社(なみよけじんじゃ)は、その名の通り、「災難を除き、波を乗り切る」御利益のある有り難い神社です。
その由来は今から350年前にさかのぼります。
当時、築地一帯は一面の海でした。
江戸の街の繁栄とともに進められてきた海面埋立て工事は、4大将軍家綱のときに最大の難所を迎えました。
そこが築地の海。堤防を築いても築いても、築地の荒波にさらわれます。
そんなある夜のこと、海面に光を放って漂うものが…。
人びとが不思議に思って船を出して近づいてみると、それは立派なご神体でした。
驚いた皆はご神体を海から上げて、現在の地に社殿を建てて祀りました。
そうしたところ、波風がピタリとおさまり、工事が順調に進むことになったといいます。
それが万治2年(1659年)。以来、災難除け、厄除けの神様としてひろく信仰を集めることとなりました。
■獅子
築地・波除神社はにぎやかな築地場外市場を通り抜けた先にあります。
まずは本堂にお参りです。
訪れたときは1月半ばで、まだ新年飾りが境内に残っていました。
茅の輪を8の字くぐりしてからお参りです。今年もいい年になりますように。
本堂右手には、獅子殿。
金色のたてがみをまとった黒色の獅子が睨みを効かせています。
高さ2.4m、幅3.3m、重さ1tのその迫力の獅子は、日本一の厄除「天井大獅子」。
一方、本堂左手には弁財天社。
中には紅色の肌にお歯黒を施した「お歯黒獅子」が鎮座しています。
こちらは、高さ2.2m、幅2.5m、重さ700kg。
弁財天社に祭られていることから分かるかもしれませんが、こちら「お歯黒獅子」が雌。
黒色の「天井獅子」が雄です。
毎年、この巨大な獅子の頭を担いでまわる「つきじ獅子祭り」が盛大に開かれています。
例年6月10日前後にひらかれるとのこと。ぜひ訪れたい…。
■築地ならではの…
そのほか境内には、築地市場関係者から奉納された、個性的な石碑が並んでいます。
例えば、活魚塚。
東京築地魚市場活物組合により建立されました。
魚を糧にして人間が生かされていることを八百万の神に感謝するものです。
すし塚と海老塚。
おすし屋さんと天ぷら屋さんの組合がそれぞれ建立。
食材とする魚や海老を供養し、感謝をあらわすものです。
かわいらしい玉子塚。
東京鶏卵加工業組合が建立しました。
日々新鮮な玉子を大量に使用することから、その供養と感謝を示したものです。
吉野家碑なんてのもありました。
吉野家は昭和34年にここ築地に「築地一号店」を開業。
創業の地が築地市場であったことから、感謝の思いを後世に残すため、記念の石碑を建立したのだそうです。
築地は何度も訪れているのですが、この神社をお参りするのは初めて。
こじんまりとした神社ですが、さすがは築地、趣とりどりの旨みが詰まった神社でした。
ありがとう、築地・波除神社!
■基本情報
名称:波除神社(なみよけじんじゃ)
住所:東京都中央区築地6-20-37
アクセス:東京メトロ「築地」駅徒歩7分、都営地下鉄「築地市場」駅徒歩5分