大政奉還150周年!ゆかりの”人”を巡る旅 <br>徳川慶喜と京都・二条城

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、大政奉還150周年!ゆかりの”人”を巡る旅 徳川慶喜と京都・二条城です。

■最後の将軍

徳川慶喜。徳川15代目将軍にして最後の将軍です。


(徳川慶喜/Wikipediaより)

徳川慶喜は、1837年、水戸藩主徳川斉昭(なりあき)の七男として誕生しました。
幼少期を水戸で過ごしますが、満10歳のときに、御三卿の一つである一橋家の養子として、江戸に出府しました。

1853年の黒船来航に伴う混乱の最中に将軍・家慶が病死すると、将軍の継嗣問題が浮上します。
慶喜を推す一橋派と徳川家茂を押す南紀派が対立しますが、1858年、大老に就いた井伊直弼(いいなおすけ)の裁定で将軍後継は家茂となり、慶喜は一時謹慎の処分を受けました。

1860年の桜田門外の変で井伊直弼が暗殺された後に赦されると、薩摩・島津久光の働きにより、1862年に将軍後見職に就任。京都守護職の設置など幕政改革を行ないました。
1864年の蛤御門の変では、慶喜自ら御所守備軍を指揮して、久坂玄瑞らが率いる長州藩を蹴散らしました。

1866年の第二次長州征伐の最中に将軍家茂が大坂城で死去。
老中板倉勝静(かつきよ)らの推挙により、同年12月、第15代将軍に就きました。

■大政奉還

慶喜は、製鉄所・造船所設立など殖産興業や軍制改革などを果断に進めますが、薩長を中心とした尊王攘夷・討幕の動きを止めることは出来ません。
いよいよ薩長が武力による討幕に踏み出すのを前に、慶喜は1867年、諸藩の代表を招集した二条城・二の丸御殿の大広間において、政権を朝廷に返還する大政奉還を表明しました。


(「大政奉還図」邨田丹陵/Wikipediaより)

もともと大政奉還後の政治体制については、徳川を含む諸侯会議によって定められるはずでしたが、同年12月に、薩摩藩らが王政復古のクーデターを起こして、慶喜を排除して新政府樹立を宣言します。

1868年の鳥羽伏見の戦いが勃発すると、自らは側近や妾らを伴って江戸に退却。旧幕府軍の退潮を明らかなものとしました。
このとき、勝利の可能性が十分にあったにもかかわらず、なぜ敵前逃亡したのかについては今なお論争の的となっています。


(二条城・東大手門)

その後、最後の将軍としては、全くと言っていいほどだらしない行動をとります。
慶喜を朝敵とする追討令が出されると、勝海舟に事態収拾を一任して、自らは上野の寛永寺に謹慎。
さらに勝海舟の働きにより江戸総攻撃の前に無血開城が実現されると、旧幕臣の暴発を恐れて江戸を出奔、水戸に移り、そこで謹慎。
その後、駿府に移封されると、そこでおよそ30年間を過ごしました。

その余生は、写真・狩猟・囲碁・謡曲など趣味に没頭する生活を送り、「ケイキ様」と呼ばれて静岡の人々から親しまれました。
一方で旧家臣たちの困窮に無関心で「貴人情を知らず」との声もあったと言われています。

1913年、歴代将軍では最長命となる77歳で死去。墓所は東京都台東区の谷中霊園にあります。

■二条城

大政奉還という歴史の一大転換点の舞台となったのが京都・二条城です。
ここで、徳川慶喜は、政権を朝廷に返還する大政奉還を表明しました。

今年は、徳川幕府による大政奉還からちょうど150年となる節目の年。
二条城の正門に当たる東大手門にも、でかでかと「大政奉還百五十周年」と書かれた金屏風が飾られています。


(二条城・東大手門の金屏風)

煌びやかな二の丸御殿唐門を抜けると…。


(二条城・二の丸御殿唐門)

そこに、大政奉還の舞台となった二の丸御殿がそびえ立ちます。
今から150年前、1867年に、二の丸御殿内の大広間において、慶喜は大政奉還を表明しました。


(二条城・二の丸御殿)

ちなみに、その大広間には、大政奉還の場面を再現する人形が展示されています。
大政奉還150周年に合わせて、時代風俗人形が修復・新調されていました。※内部は撮影禁止のため写真なしです。

二の丸御殿の西には、本丸御殿があります。
もともと本丸には五層の天守閣があったそうですが、1750年に落雷のために焼失。
現在の本丸御殿は、京都御所の北にあった旧桂宮邸を移築したものです。


(二条城・本丸御殿)

本丸御殿の前に広がる本丸庭園は、本丸御殿が移築された後に明治天皇の命で作庭されたものです。
丸く刈り込まれた植え込みや木々が芝生に映えますね。癒されます。


(二条城・本丸庭園)

実は、二条城は、江戸幕府の最初の将軍・徳川家康が造営した城です。
その場所で、最後の将軍・徳川慶喜が大政奉還を表明し、徳川幕府の終焉を告げました。

今日の夢中は、江戸幕府の始まりと終わりを見届けた場所、二条城でした。

■基本情報

名称:元離宮二条城(通称:二条城)
住所:京都府中央区二条通堀川西入二条城町541

アクセス:市バス「二条城前」下車、地下鉄「二条城前」下車
拝観・開館時間:8:45~17:00 ※入城は16:00まで
料金:一般600円、中高生350円、小人200円、小学生未満無料


(二条城・東南隅櫓)

 

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