こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
日本ではじめて鉄道が走った区間を歩くたび。
品川を出て大井町に向かいます。品川神社を過ぎた少し先に「東海寺」があります。
■東海寺
東海寺は、徳川3代将軍家光が創建の由緒あるお寺。
‥なのですが、この旅に出るまではまったく知りませんでした。
観光地でもないから休日の午後でも閑散。
普通ならスルーなのかもしれませんが、街の案内板を見て、立ち寄らないわけにはいかなくなりました。
それは、東海寺の大山墓地にあります。
ここに、日本の鉄道の父と言われている井上勝が眠っていることがわかりました。
この旅が「日本ではじめて鉄道が走った区間を歩くたび」なのはご案内の通り。
その旅の発端をつくったとも言える井上勝さんの墓地を、スルーはできません。
■日本の鉄道の父、井上勝
井上勝とはどんな人だったんでしょう?
幕末から明治にかけて活躍した長州藩士で、長州五傑の一人。
長州五傑とは、幕末期に長州藩からロンドンに秘密裡に派遣された5人のことで、伊藤俊輔(博文)、井上聞多(馨)など、近代日本の礎を築いた錚錚たるメンバーです。
「長州ファイブ」の名前の方が、最近は知れているかも。映画にもなったしね。
その中の1人が井上勝(野村弥吉)です。
彼はロンドンで鉄道技術などを学び、帰国後、日本の鉄道敷設に尽力しました。
当時の日本には、カネも技術もなく、イギリスで国債を売ったり、同国から技術者を招聘したりして、必死に敷設を進めます。
井上勝自身も、イギリス人技師モレルの下で、実際の工事に携わり、お偉いさんもいた反対派の説得も自ら行うなど、精力的に鉄道の敷設を進めました。
そしてついに、明治5年(1872年)、悲願の新橋ー横浜間を全線開業させました。
鉄道発展に尽力して、「日本の鉄道の父」と呼ばれています。
■井上勝の墓所
そんな井上勝の墓所があるのがここ、東海寺の大山墓地です。
墓所は、東海道新幹線、山手線と東海道本線に挟まれたところにあります。
井上勝自らが「死後も鉄道の発展を見守りたい」として、この地を選んだようです。
参拝中も、脇を、次々と新幹線が通り抜けて行きました。
ここに眠る井上勝さんもさぞ誇らしいことでしょう。
ちなみに、ここは由緒あるお寺とあって、彼以外にも著名な方々が埋葬されています。
賀茂真淵や沢庵和尚、島倉千代子さんなど。すいませんが、詳細略です。
井上勝さん、私はいま、あなたがつくった鉄道の区間を歩くたびをしています。
筋肉痛で足の痛みを感じるたび、あなたの偉大さを痛感します。
ありがとう、長州ファイブ・井上勝さん!日本の鉄道のお父さん!
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